明治41年(1908年)、奈良監獄として竣工した、現存する日本最古の刑務所建築です。
青空を背景に歳月を経た赤い煉瓦塀が美しい。塀のきわには、枯れススキが微かな風に揺れている。
その横の桜の老木、今日の陽気で今まさに咲こうとしています。
長い年月、この塀も花もきっと、おおぜいの受刑者の行き来を見守ってきたのでしょう。
中世のお城のようなロマネスク様式の赤レンガ造り。
ドーム型の二つの屋根、窓にはめられた鉄格子、壁面の装飾等は建築当時のまま。
この門をくぐれば、そこは監獄。
広大な敷地に庁舎や放射線状に広がる舎房等、30棟の建物があります。(設計者:山下敬次郎 1868~1931)
老朽化などの為、平成29年(2017年)に刑務所としての109年の歴史を閉じた。建物は国の重要文化財に指定され、民間のホテルとして活用される予定だそうです。
高級なホテルになるそうですので、今後、建物の見学は容易にはできません。
今のうちに、110年以上も前の往時の姿を、ぜひ見ておきたい。
古都奈良は、さまざまな時代の建物が違和感なく共存する不思議な街です。
足の指が親指と残りの指の二股になっているので、つま先に力が入り、とても作業がしやすい履物です。