平安時代後期、藤原頼通が建立した平等院鳳凰堂 全景
真ん中に中堂(ちゅうどう)、左右に翼廊(よくろう)、中堂の後ろに尾廊(びろう)の四つの建物があります。
四つ建物の外周を、白い漆喰の小壁が連続してぐるっと回り、一つの建物のように見えます。
そのたたずまいが翼を広げた鳥、鳳凰に似ているので平等院鳳凰堂とよばれていますが正式名称は平等院阿弥陀堂です。
中堂には阿弥陀如来さまがおられ、その周りを52躯もの雲中供養菩薩さまが、雲に乗り楽器をもって漂っています。
今にも音楽が聞こえてきそうです。
雲中供養菩薩像 出典:平等院HPより
中堂の正面 屋根
棟に一対の鳳凰、整然と連なる軒丸瓦、その下に点々と並ぶ金色の垂木(たるき)の
木口(※1)、垂木の木口には、錺金物(かざりかなもの)が取付けてあり、それが金色に光っています。
(※1)こぐち 木材の切り口
屋根裏の三手先組物(※2みてさきくみもの)の木口にも大きめの錺金物がついています。四角や丸い形をしたものが、数多くついています。
これらの錺金物は平成の改修工事の時、京都の錺金具 (かざりかなぐ)製作所さんが一枚一枚手彫りしたものです。
職人さんの魂が宿っているのか、迫りくるものがあります。
(錺金具が取付けられているのは 中堂だけで、他の建物の木口は黄土が塗られています。)
池を隔てて見る、華やかな鳳凰堂や庭園、目の前に広がる景色は平安貴族が思い描いた極楽浄土です。
財布に貯まっていた小銭を出してみた。
10円玉 平等院鳳凰堂(表面)なんと、華やかな建物だろう。
京都府宇治市 宇治川沿いに歩く。
宇治橋のたもとに「源氏物語」の作者として知られる紫式部の像。
紫式部の像を左手に見て川辺の土手を上流に向かって散策。
川面に小さな白波がたち、瀬音を立てながら川は流れています。
中洲の端っこに小さな黒い点々。川鵜の群れがいます。
大寒を過ぎたばかりなのに、春のような温かい日差しです。
川鵜は次から次へと水に飛び込んで魚をとっています。
土手を街の方へ降りると平等院 表門に着きました。
池に映り込んだ鳳凰堂
平安時代後期、時の関白 藤原頼道が建立した阿弥陀堂。
極楽浄土に迷い込んだような庭園の華やかな宮殿。
10円玉が中世への旅へ連れてきてくれました。